
原発性アルドステロン症
原発性アルドステロン症
「なかなか血圧が下がらない」「若くして高血圧を指摘された」「薬を始めてからカリウムが低いと言われた」
このような場合、生活習慣や体質だけでなく、ホルモンの異常が関係していることがあります。
当院では、原発性アルドステロン症というホルモンの病気に対して、専門医による検査と治療を行っています。
これらに当てはまる方は、原発性アルドステロン症が隠れている可能性があります。
腎臓の上にある「副腎」という臓器から分泌されるホルモン「アルドステロン」が、必要以上に分泌されてしまう病気です。
アルドステロンは、体内の塩分(ナトリウム)や水分のバランスを調節する重要な役割を担っています。しかし、過剰に分泌されると体内に塩分と水分が溜まりすぎ、血液量が増えて高血圧を引き起こします。
高血圧の患者さんのおよそ5〜10%にみられるとされ、決してまれな病気ではありません。
原発性アルドステロン症は、単なる高血圧ではなく、余分なアルドステロンが心臓・血管・腎臓に直接ダメージを与えます。
そのため、一般的な高血圧に比べて次のようなリスクが高いことがわかっています。
適切に診断し治療を行うことで、将来の合併症リスクを大幅に減らすことができます。
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ステップ1:血液検査によるスクリーニング
まずは血液検査で、原発性アルドステロン症の可能性を調べます。
検査は、空腹の状態で30分間横になって安静を保った後に行う「安静採血」です。
この血液で「アルドステロン」と「レニン」の比(ARR)を測定し、疑いがあるかどうかを確認します。
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ステップ2:確定診断のための精密検査
スクリーニングで疑いが強い場合、点滴やお薬を使った「負荷試験」を行い、ホルモンの反応を確認します。これにより、診断を確定することができます。
※一部の負荷試験は当院で対応可能です。
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ステップ3:原因の特定と治療方針の決定
次に、CTなどの画像検査で副腎に腫瘍があるかを確認します。
必要に応じて、副腎静脈サンプリングという検査を行い、どちらの副腎からアルドステロンが過剰に出ているかを調べます。
※精密検査が必要な場合は、連携している総合病院へご紹介します。