糖尿病性腎症|千歳烏山駅前内科・糖尿病クリニック|千歳烏山駅前の内科・糖尿病内科・内分泌内科

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糖尿病性腎症

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糖尿病で重大な合併症の一つ『腎症』

糖尿病には、『腎症』という見過ごすことのできない重大な合併症があることをご存じでしょうか。腎臓は血液をろ過して必要なものと不要なものを選り分ける、いわば体の「浄水器」のような役割を担っています。

糖尿病により血液中の糖が多すぎる状態(高血糖)が続くと、腎臓が徐々にダメージを受けてしまいます。その結果、腎臓は老廃物を排出する能力を失い、体内に毒素が溜まるようになります。

初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに病状が進行することが少なくありません。症状が悪化すると人工透析が必要となり、日常生活にも大きな影響を与えることになります。

糖尿病性腎症が進行すると腎不全へ…透析治療が避けられなくなる可能性も

糖尿病性腎症を放置すると腎臓の働きがさらに低下し、最終的には腎不全に至る可能性があります。腎不全になると腎臓が老廃物や余分な水分を排出する能力を失い、体全体に深刻な影響を及ぼします。

この状態では、腎臓の働きを補うために人工透析治療を受けなければ、生きていくことが困難になります。透析治療とは、血液を人工的にろ過して体内の毒素や余分な水分を取り除く治療法で、通常は週3回、1回約4時間の治療が必要です。透析は患者さんの日常生活に大きな負担を強いるため、糖尿病性腎症の早期発見と治療が重要です。

腎機能の低下を早期発見するための検査項目

腎機能は毎年受ける健康診断によって知ることができます。代表的な検査項目をご紹介します。

アルブミン尿

腎臓が傷つくと尿にアルブミン(体に必要なタンパク質)が漏れ出てしまいます。通常、健康な腎臓ではアルブミンは尿にほとんど出ませんが、腎臓のフィルター機能が壊れると増加します。アルブミン尿は腎臓の異常を早期に見つける重要なサインです。

eGFR(推算糸球体濾過量)

腎臓が1分間にどれだけ血液をろ過できるかを推定した数値です。健康な人では90以上ですが、腎機能が低下すると60未満になります。この値が低いほど腎臓の働きが悪いことを示しています。

BUN(血中尿素窒素)

腎臓が傷つくと、血液をろ過する役割を担う糸球体濾過量が低下し、腎臓の排出機能が十分に働かなくなります。その結果、体内で作られる老廃物であるBUNが尿として排出されず、血液中に蓄積します。

クレアチニン

BUNとクレアチニンはいずれも体内で作られる老廃物の一種です。クレアチニンは筋肉の運動によって生成され、腎臓でろ過され尿として排出されます。しかし、血液中のクレアチニン濃度が上昇している場合、腎臓の機能が正常に働いていない可能性があります。

糖尿病性腎症の病状5段階のステージ

ステージ 名称 説明 尿アルブミン量 eGFR(糸球体濾過量) 主な症状
第1期 正常アルブミン尿期 腎臓の機能は正常だが微量のアルブミンが尿に漏れ出ている 30mg/gCr未満 90ml/分/1.73m²以上 自覚症状なし
第2期 微量アルブミン尿期 尿中のアルブミン量が増加 30–299mg/gCr 60–89ml/分/1.73m² 自覚症状はほとんどなし
第3期 顕性蛋白尿期 尿にタンパク質が漏れ出ている 300mg/gCr以上 30–59ml/分/1.73m² むくみ・食欲不振・息切れ
第4期 腎不全期 腎臓の機能が著しく低下 問わない 15–29ml/分/1.73m² 吐き気・手足のしびれ・腹痛
第5期 末期腎不全期 腎臓の機能がほとんど失われている 透析療法治療 15ml/分/1.73m²未満 疲労感・全身倦怠感・意識障害

透析を防ごう!糖尿病性腎症の早期治療で腎臓を守る第一歩(透析予防外来)

糖尿病性腎症は適切な治療を早期に始めることで進行を遅らせることが可能です。特に腎臓を守るためには糖尿病の管理を徹底し、腎機能の変化を定期的にチェックすることが重要です。

当院の『透析予防外来』では、透析が必要になるリスクを軽減するお手伝いをしています。治療方法として、薬物療法だけではなく栄養指導も組み合わせ、患者さん一人ひとりに合わせた治療プランを作成し、適切なアドバイスを行います。

糖尿病専門医と看護師が患者さんの不安や疑問に寄り添いながら治療をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。