糖尿病の注射薬治療|千歳烏山駅前内科・糖尿病クリニック|千歳烏山駅前の内科・糖尿病内科・内分泌内科

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糖尿病の注射薬治療

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糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが不足したり、その働きが十分でないために血糖値が高くなる病気です。ここでは、注射薬による治療方法について詳しく説明します。注射薬治療は、このインスリン不足やその働きを補うために行われます。糖尿病治療に使用される注射薬には、インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の2種類があります。

インスリン治療

インスリンとは

インスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンで、膵臓のβ細胞で作られます。摂取した炭水化物(糖質)が消化されてブドウ糖となり、小腸で吸収された後、血液中に移動します。インスリンはこのブドウ糖を筋肉や肝臓などの組織に移動させることで、血糖値を下げる役割を果たします。

インスリン治療が必要な場合

インスリン治療が必要なケースには以下のものがあります。

  • インスリン依存状態(1型糖尿病等、インスリンを投与しないと生命に危険が及ぶ状態)
  • 糖尿病合併の妊娠、妊娠糖尿病(厳格な血糖コントロールが必要)
  • 経口薬のみで血糖コントロールの維持が難しくなった2型糖尿病
  • 空腹時血糖250mg/dL以上、随時血糖350mg/dLなどの著明な高血糖
  • 肝障害、腎障害等を合併している場合
  • 全身麻酔下での手術を受けるとき

インスリン製剤の種類

インスリン製剤は効果の速さと持続時間によって分類されます。

超速効型インスリン

食直前に使用し、即効性があります。食後の高血糖を抑えるために使用します。このタイプのインスリンは、食事摂取時に急激に上昇する血糖値に対応するため、「追加分泌」と呼ばれます。

持効型インスリン

24時間以上と長時間にわたり一定のインスリン効果を提供し、1日1回の注射で使用します。食事に関わらず1日全体の血糖を抑えるために使用します。このタイプのインスリンは、「基礎分泌」と呼ばれます。

混合型インスリン

超速効型と持効型のインスリン等を一定の比率で混合したもので、基礎分泌と追加分泌の両方に対応します。

GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬

GLP-1とは

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事が胃から小腸に到達した時に分泌されるインクレチンホルモンの一つで、膵臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促します。主に食後の血糖値が上昇した時に効果を発揮し、血糖依存性に作用します。

GLP-1受容体作動薬の特徴

GLP-1受容体作動薬は、GLP-1と類似した構造を持ち、体内で分解されにくいよう設計されています。このため、長時間にわたり血糖値を下げる効果が持続します。また、空腹時など血糖値が低い時には作用が減弱するため、低血糖のリスクが低く、安全性が高い薬剤です。

GLP-1は胃の動きを抑制し、食欲を低下させる効果もあります。このため、ストレスを感じることなく食事摂取量を減らすことができ、体重減少効果が期待できます。しかし、特に使用開始時には吐き気や嘔吐、便秘などの副作用が現れることがありますので、注意が必要です。

GIP/GLP-1受容体作動薬(マンジャロ®)

2023年には、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬(マンジャロ®)が上市されました。GIPもGLP-1と同じくインクレチンホルモンの一つであり、この薬剤はGLP-1とGIPの両方の作用を持ちます。これにより、より強い血糖改善効果および体重減少効果が得られると報告されています。

使用方法

GLP-1受容体作動薬とGIP/GLP-1受容体作動薬は、通常、自己注射器を使用して投与されます。1日1回または週1回の注射で効果を発揮します。最近では、飲み薬も登場しており、さらに使いやすくなっています。

当院での治療方針

当院では、糖尿病治療において患者さん一人ひとりに最適な治療法を提供することを目指しています。インスリン治療やGLP-1受容体作動薬、GIP/GLP-1受容体作動薬を含む注射薬の適用を検討し、個々の病態や生活スタイルに合わせた治療プランを提案します。糖尿病治療についてのご質問やご相談がある場合は、どうぞお気軽にお問合せください。医師や看護師が丁寧に対応し、安心して治療を続けられるようサポートいたします。