高尿酸血症|千歳烏山駅前内科・糖尿病クリニック|千歳烏山駅前の内科・糖尿病内科・内分泌内科

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高尿酸血症

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高尿酸血症とは

和食とビール

高尿酸血症とは血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えた状態を言います。痛風や腎結石、尿路結石の原因になる他、肥満や高血圧、脂質異常症、糖尿病を複合的に合併することもあります。
血液中の尿酸が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節にたまり炎症が起きてきます。これを痛風といい、足の親指の付け根などに生じやすく、痛風発作はあまりの痛みで足を引きずってしまうこともあります。
痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で、1週間~10日ほどで落ち着きますが、治療を中断してそのまま放置すると、関節炎による結節(コブのようなもの)ができたり、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めたりします。

尿酸とは

尿酸とは、プリン体という物質が肝臓で分解されてできるものです。
プリン体というのは、体の細胞の中に含まれている「核酸」という物質の主成分ですが、核酸は運動したり臓器を働かしたりするのに欠かせない重要な役割をしています。
プリン体の約8割は体内で作られ、残りの2割は食べ物で摂取をしていますが、核酸として利用されなかったプリン体は肝臓で分解され、尿酸に置き換わり、尿や便として体外へ排泄されます。
1日で排泄できる尿酸の量には限界があり、その限界量を超えて尿酸が作られてしまうと、尿酸はいつまでも体内に留まったままとなり、結晶化して全身に悪影響を与えてしまいます。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症の原因は、食事や飲酒などの生活習慣による影響が2~3割で、尿の尿酸排泄機能の低下や尿酸の産生過剰など、遺伝的な要素も含めた体質的な影響が残りの7~8割です。

高尿酸血症を放置すると

高尿酸血症は、症状がないため長い間放置していると、血液中に溶けきらなかった尿酸が結晶化し、足の親指のつけ根などの関節に溜まって、歩けない程の激しい痛みが出る場合があります。
発作的な症状のため、これを痛風発作と呼びます。
痛風は、30~50 歳代の男性に多い病気で、発作による痛みは 7~10日程で次第に治まりますが、多くの場合 1年以内に同じような発作が起こります。
痛風発作を繰り返しているうちに、足首や膝関節まで腫れるようになってきたり、発作の間隔が短くなります。
痛風を治療せずに放置すると腎臓にも結晶化した尿酸が溜まってしまい、慢性腎不全に陥る場合もあります。また、高尿酸血症は、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を合併しやすいため放置はとても危険です。

高尿酸血症の治療

高尿酸血症の治療は通常、食事療法と運動療法からはじめます。高尿酸血症の原因は、食事や飲酒などの生活習慣による影響は2~3割で、尿の尿酸排泄機能の低下や尿酸の産生過剰など、体質的な影響が残りの7~8割を占めていることが分かっています。つまり、高尿酸血症の程度によっては食事や飲酒などといった生活習慣の改善だけでは治療目標が達成できない場合もあります。そのような場合、飲み薬による治療も組み合わせながら進めていきます。

食事療法

尿酸はプリン体と呼ばれる物質から作られるため、プリン体を摂取しすぎないような食事を心がけることが大切です。アルコールもなるべく控えましょう。アルコールの代謝過程で血清尿酸値を上昇させてしまいます。特にビールはさらにプリン体を多く含んでもいますので要注意です。
逆にプリン体が少ない食品には牛乳やチーズなどの乳製品、米やパン、うどん、そば、野菜などが挙げられます。特に野菜・海藻・牛乳などのアルカリ性食品は、尿路結石の発症を予防すると言われています。

プリン体を多く含む食材

  • アルコール(特にビール)
  • レバー類
  • 白子
  • 一部の魚介類(エビ、イワシ、カツオ)など

運動療法

肥満や運動不足なども高尿酸血症のリスクの1つです。適度な強度の有酸素運動を行うことにより、肥満を解消・予防し、また合併していることの多い高血圧・脂質異常症・糖尿病などの改善にもつながります。
有酸素運動を中心に定期的に(毎日合計30分以上を目標に)行うことをおすすめします。運動療法により血中脂質の改善効果が得られます。
有酸素運動としてウォーキング、水泳、サイクリング、ジョギングなどの全身を動かす運動がおすすめです。
運動の頻度は1日30分以上、少なくとも週に3日実施できると望ましいです。
また、1日の中で短時間の運動を数回に分け、「合計30分以上」でも問題ありません(例えば、10分間の運動を3回実施で合計30分間にするなど)。

運動により大量の汗をかき、水分補給をしないと血液が濃縮して血清尿酸値が上がったり、尿が濃くなって尿酸が溶けにくくなります。汗をかいたら、水分を十分に摂るようにしましょう。

薬物療法

一度でも痛風発作を起こしたことのある場合は関節内に結晶化した尿酸が溜まっている可能性が高く、この結晶を溶かすために、血清尿酸値を6.0mg/dL以下でコントロールすることが望ましいです。この場合には食事療法だけでは改善が難しいため、薬物療法を組み合わせる必要があります。また痛風発作を起こしていなくても、血清尿酸値が9.0mg/dLを超えるような場合には薬物治療をおすすめしています。

高尿酸血症で用いる薬(尿酸降下薬)には以下に2種類に大きく分けられます。

  1. 尿酸が過剰に作られるのを抑える薬(尿酸生成抑制薬)
  2. 尿中への尿酸の排泄をうながす薬(尿酸排泄促進薬)

それぞれ、患者さまの状況を確認しながら主治医が適切な薬を選択して処方いたします(②については、過去に尿路結石を起こされたことのある方にはおすすめできません)。
また、尿酸が尿路で結晶化して結石になるのを防ぐ尿アルカリ化薬を併用することもあります。
尿酸値が下がっても体内で結晶化した尿酸が溶けきるまでには時間がかかりますので、下がったからといって自己判断で薬を飲むのを止めないようにしましょう。

痛風発作が起きたときの治療

痛風発作を起こした場合は、まずは急性的な患部の痛みや腫れを抑える治療を行います。発作中の急激な血清尿酸値の変化は痛風発作の症状をかえって悪化させる場合があるため、尿酸降下薬による治療は発作が治まった後に開始することが多いです。尿酸降下薬は生活習慣の改善をはかると同時に始め、緩やかに尿酸値を下げていきます。

痛風発作は再発の可能性が非常に高い病気です。薬物治療で尿酸値が下がったからといって元の生活に戻ってしまうことなく、生活習慣の改善とその継続が大切になります。