インスリン治療|千歳烏山駅前内科・糖尿病クリニック|千歳烏山駅前の内科・糖尿病内科・内分泌内科

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インスリン治療

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インスリンとは

インスリン注射をお腹に打つ人

インスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンで、すい臓という臓器で作られます。「インスリンが血糖値を下げる」仕組みは以下の通りです。

  1. 食事によって摂取した炭水化物(糖質)は消化作用によってブドウ糖となり、小腸で吸収されます。
  2. 吸収されたブドウ糖は血液中に移動しますが、この血液中のブドウ糖を「血糖」と言います。
  3. 血液中のブドウ糖(血糖)はインスリンの働きによって今度は筋肉や肝臓などの組織に移動しますが、これが「血糖値が下がる」ということです。組織に取り込まれたブドウ糖はエネルギーとして利用されたり、グリコーゲンというものに形を変え、必要なときにすぐ利用できるように蓄えられます。

インスリン治療の原則は、健康な人のインスリン分泌のパターンをできる限り忠実にまねることにあります。
健康な人は、24時間常に少量のインスリンが分泌されており(これを「基礎分泌」と呼びます)、一方で食後は血糖値の上昇に合わせてそれに見合った多量のインスリンが一気に分泌されます(これを「追加分泌」と呼びます)。

インスリン治療は最後の手段?

「インスリン治療」と聞くと、中には「糖尿病が悪化したからだ」「自己管理ができていないからだ」「重症な人が受ける最終手段だ」と、ネガティブなイメージを持つ方も少なくないのではないかと思います。しかしインスリン治療が最終手段などというのは昔の考え方で、現在では早い段階でインスリン治療を検討することがしばしばあります。なぜなら最初のうちは元気なすい臓も、血糖値を下げるためになんとかたくさんインスリンを作ろう、と頑張らせ続けると次第に疲労が蓄積し、インスリンを作る力が急速に落ちてしまう場合があるからです。早めの段階で適切な量のインスリン治療を行うことによって、すい臓の疲労を回復させることができます。

インスリン治療はどのような場合に必要か

糖尿病とは、「インスリンの作用が十分でないために血糖が筋肉や肝臓へ移動せず、血糖値が高いままになっている状態」です。
この「インスリンの作用が十分でない」理由として、以下の2つがあります。

  1. インスリンの分泌量が少ない(インスリン依存状態と言います)
  2. インスリンが効きにくくなっている(インスリン抵抗性、あるいは糖毒性と言います)

の場合にはインスリン治療は必須になります。
の場合は必ずしもインスリン治療が必要とは限りませんが、先に述べたように、すい臓の疲労を回復させることを目的として一時的にインスリン治療を行う場合もあります。

また妊娠中は胎盤から作られるホルモンがインスリンの効きを悪くする作用があるため、血糖値が高くなりやすい状態になります(検査で糖代謝異常が認められた場合を「妊娠糖尿病」と言います)。ここでは詳細は述べませんが、妊娠中は血糖値の目標が厳しくなります。食事療法だけでは目標の血糖値まで下がらない場合、インスリン治療が必要になります。

インスリン治療が必要となるケース

  • 1型糖尿病(インスリン依存性であるため)
  • 糖尿病合併の妊娠、妊娠糖尿病(厳格な血糖コントロールが必要)
  • 経口薬のみで血糖コントロールの維持が難しくなった2型糖尿病
  • 空腹時血糖250mg/dL以上、随時血糖350mg/dLなど、著明な高血糖がみられる場合
  • 肝障害、腎障害などを合併している場合
  • 高血糖による昏睡などにより、緊急で血糖値を下げる必要がある場合
  • 全身麻酔下での手術を受けるとき

インスリン製剤の種類について

インスリン製剤は昔と比べ、機器・種類ともに格段に進歩しました。
昔はインスリン注射の針は太く、強い痛みを伴うものでしたが、現在使用されている針は非常に細く、痛みもほとんどありません(当たりどころによっては多少の痛みを感じることもあります)。
またインスリンの種類が増えたことにより、多様なライフスタイルに応えるインスリン治療ができるようになりました。私たち糖尿病専門医は、患者さまお一人おひとりの病態や生活環境などを最大限考慮し最も適していると判断した治療内容をご提案します。

インスリンは効果が持続する時間によって「超速効型」「速効型」「中間型」「持効型」に分けられます。現在は主に、基礎分泌を補うものとして持効型インスリン、追加分泌を補うものとして超速効型インスリンが使用されます。
また超速効型インスリンと持効型(中間型)インスリンが一定の比率で混ざっているインスリンもあり、配合溶解インスリン(混合型インスリン)と呼ばれます。
例えば血糖値が常に高く、特に食後に高血糖となる傾向が見られるような患者さまに対しては、持効型インスリンを基礎分泌に見立てて常に血糖値を抑えた状態にしておき、食後に血糖値が跳ね上がるタイミングで超速効型を用いることで血糖値の大きな変動が起きないようにする、といったような使い方をします。
もちろん飲み薬と併用することもありますので、患者さまに応じてお薬の組み合わせは多種多様です。当院では糖尿病の専門医が、あなたに合った治療方法を一緒に考えていきます。
また使用するインスリンの種類によって注射するタイミングが異なったり、また食事が摂れないとき・具合が悪いときの対応が異なりますので、必ず医師に確認をするようにしてください。

インスリンの種類

※横スクロールでご確認いただけます。

インスリン
製剤の種類
作用動態イメージ 特徴
超速効型
インスリン
超速効型インスリンイメージ
  • 「追加分泌」に対応した効果の素早いインスリン
  • 食直前に注射する
  • 現在はさらに効果の素早い、“超超速効型”と呼ばれるインスリンも登場している
持効型
インスリン
超速効型インスリンイメージ
  • 「基礎分泌」に対応したピークがなく効果がゆっくりなインスリン
  • 注射は原則1日1回で、食事に関係なく注射可能
配合溶解
(混合型)
インスリン
超速効型インスリンイメージ
  • 「追加分泌」「基礎分泌」の両方に対応ができるインスリン
  • 原則、食直前に注射する
  • 混合型インスリンは使用の際十分な混和をする必要あり