HbA1cについて
HbA1cについて
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」に、食事から取り込まれた「ブドウ糖」が結びついたものです。血液中の糖が多い状態(高血糖)が続くほど、ヘモグロビンに結合する糖の割合が増え、数値も高くなります。
赤血球の寿命はおよそ4か月(120日)ですが、体内では古いものと新しいものが少しずつ入れ替わっています。そのためHbA1cを測定すると、その時点の血糖値だけでなく、直近1〜2か月ほどの平均的な血糖コントロールの状態を知ることができます。
採血時点での血液中の糖の状態を示します。食事や運動、体調などの影響を受けやすく、その日のコンディションによって大きく変動します。
過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映する数値です。検査当日の食事や運動に左右されにくく、長期的な血糖コントロールの傾向を把握するのに適しています。
日本糖尿病学会の基準に基づき、数値の判定は以下のように行われます。
将来糖尿病になるリスクが高いと言われています(特に高血圧症や脂質異常症等の生活習慣病がある方は、将来糖尿病か動脈硬化疾患のリスクが高まります)
糖尿病の疑いが強いと言われています
糖尿病型と言います
HbA1cが6.5%以上の場合、血糖値や自覚症状・過去の経過により、糖尿病の診断に至ります。
多くの方にとって、まずは「7.0%未満」を安定して保つことが、合併症を防ぐうえで重要な目安となります。
目標は年齢や合併症等に応じ患者さん個人に合わせ設定します。
特に若い方は、将来のリスクを考慮し、より正常に近い6.0%を目指して治療していくことが多いです。
HbA1cが高めと言われた段階から、ゆっくり動脈硬化は進行します。
そのため、糖尿病の治療期間が短くても動脈硬化疾患を発症する可能性があります。
HbA1cが高い状態、つまり慢性的に血糖値が高い状態が続くと、全身の血管は日常的に糖の影響を受け続けます。糖尿病の怖いところは、自覚症状がほとんどないまま血管の傷みが進み、気づいたときには重い合併症として現れる点です。これらの合併症は、ダメージを受ける血管の太さによって、大きく2つのタイプに分けられます。
手足のしびれや冷え、感覚の麻痺が起こります。怪我に気づきにくくなり、後述の壊疽の原因にもなります。
眼底の血管が傷つき、視力が低下します。成人の失明原因の第2位となっています。
血液のフィルターである腎臓が壊れ、老廃物を排出できなくなります。人工透析が必要になる原因の第1位です。
血流が悪くなり、足の組織が腐ってしまう状態です。最悪の場合、切断が必要になることもあります。
脳梗塞などがこれにあたります。半身不随や言語障害などの後遺症が残るリスクがあります。
心筋梗塞や狭心症です。強い胸の痛みとともに、突然命を落とす危険性があります。
HbA1cが高いという指摘は、全身の血管からの注意信号といえます。自覚症状がない段階から専門医と相談しながら血糖を整えていくことで、こうした合併症のリスクは大きく下げることができます。
HbA1cを改善するためには、日々の生活習慣の見直しと、適切な治療の継続が大切です。
野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識する、糖質のとり過ぎを控える、よく噛んでゆっくり食べるなど、血糖の急上昇を防ぐ食べ方を心がけます。
1日30分程度のウォーキングなど、無理のない有酸素運動を習慣にすることで、血糖が下がりやすくなります。
必要に応じて、患者様の生活スタイルに合わせて内服薬やインスリン、GLP-1受容体作動薬などを組み合わせ、無理のない治療を行います。
当院では、HbA1cの検査(血液検査)を随時行っています。診察ではお薬の処方だけにとどまらず、最新の医学的根拠を踏まえながら、患者様の生活スタイルに合わせた治療方針や、無理なく続けられる生活習慣の工夫について分かりやすくご説明することを大切にしています。
「健診で再検査と言われた」「最近の数値が気になる」という方は、千歳烏山駅徒歩1分の当院まで、お気軽にご相談ください。